外壁塗装工事をする上で、お客様ご自身で選んでいただくのは、つぎの3項目です。
住宅の外壁塗装工事は、モルタル・サイディング・コンクリート・木板張りなど、外壁の素材や工法により補修内容や使用する塗料が異なりますが、代表的なものをご紹介いたします。
リシン
モルタル刷毛引の上に合成樹脂系やセメント系の砂壁状の吹付材を吹き付けて仕上げます。砂粒のような模様が付いており、ツヤ消しです。
汚れやすい、ヒビ割れやすい、コケが生えやすいなどの理由で、嫌われる方も多いのですが、最近では弾力性のあるタイプや、防かび・防藻性を付加したタイプなど、さまざまなタイプがあり、かつての欠点は克服されています。
新築時に塗ったものが、汚らしくなったという理由で塗り替えをされる方も多いです。
アクリルスキン
薄づけ仕上げ塗材です。
一見リシンのように見えますが,ツブツブが単色ではないのが特徴です。
砂粒状にした陶磁器や天然石などが主原料で, 全体の色調とツブツブの色の組み合わせで、さまざまなバリエーションがあります。
コンクリート、モルタル仕上げ、スレート、フレキシブルボード、窯業系サイディングボード、ALC板(軽量発泡コンクリート)など、さまざまな外壁素材に対応できます。
スタッコ
厚づけ仕上げ塗材です。
樹脂モルタル、ドロマイトプラスター、色モルタルなどを吹き付けます。
吹き付けた後、モルタルが柔らかいうちに、表面をローラーで押さえ、凸凹模様をつけます。石造建築風の質感と重厚な風合いが特徴です。
特殊コテで塗りつけることで、変化に富んだ表情をつけるとも可能です。
砂粒状の骨材入りスタッコ材を厚く吹き付け、凹凸面を補強した仕上法もあります。
ボンタイル
陶磁器質調タイルの肌合いを、吹き付け作業によって得る工法です。たいていはツヤ有りです。スタッコよりも柄が小さく、ツルツルしています。
合成樹脂などの結合材とけい砂・寒水石・軽量骨材などが主原料で、3層で厚さ1~5mm程度の凹凸模様などに仕上げます。
汚れにくく、水洗いができ、ひび割れしにくい性質があります。また、防水性を高めたものに弾性タイルもあります。
住宅内部では天井・壁・床から木部や建具に至るまで対応できます。
塗り壁では、ビニルクロスでは味わえない風合いを出すことができます。もちろんシックハウスなど健康や環境にも十分注意した材料を使用します。
ジョリパット
耐久性、防藻・防カビ性、柔剛性、さらには防火性に優れた水性タイプのアクリル樹脂をバインダーとした砂壁状塗材です。
カラーバリエーションも豊富で、いろんな表情を出せますので、個性的な仕上がりを求める方におすすめです。
ジョリパット塗装は現在、新築住宅の46%で採用されています。また最近では、住宅だけでなく、店舗の内装でも頻繁に使用されています。
珪藻土
珪藻土は、珪藻という植物性プランクトン(藻)の死骸が化石となり、堆積してしてできた泥土のことです。古くから、こんろ(七輪)、耐火煉瓦の原料や酒、ビールの濾過材、吸着、脱臭剤などとして幅広く利用されてきました。
珪藻土を含んだ塗料は、調湿効果が特に優れており、梅雨時期にもさらっとした室内環境が実感できます。
また消臭効果もあり、ペットやタバコのイヤなにおいも軽減することができます。
珪藻土の含有率によって性能は異なってきますので、性能や見た目など、こだわりにあわせて塗料を選びます。
アレスシックイ(塗布型漆喰)
漆喰は、サンゴがもとになってできた消石灰を混ぜた壁塗りの材料です。日本では古くは土蔵や城の壁に用いられていました。
漆喰調仕上げの塗料ではなく、本格的な塗布型漆喰なので、VOC吸着除去・消臭・二酸化炭素吸収・結露抑制など、さまざまな効果があります。
建築ボードや塩ビクロスといったさまざまな内装材に塗布することができ、色や仕上げのバリエーションも豊富です。